
日本で100年住める快適な家をつくるには
100年住める快適な家をつくるには、耐久性や耐震性も必要ですが、一番大事なことは、「壊さずに長く残したい」と思える家をつくることだと思います。陳腐化するデザインは街並みにそぐわなくなり、汚れや傷みの目立つ家は早い時期に建て替えられることでしょう。長く使い続けられる家は時とともに趣きを増しヨーロッパや京都のように素敵な街並みを形成していくのです。
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サスティナブル(持続可能)なデザイン=「地球環境にやさしいデザイン」というと大変大げさに感じられるかもしれませんが、この考え方が、100年住める快適な家をつくることにつながります。エネルギー消費の少ない家、メンテナンスを含むライフサイクルコストが少ない家、安全に健康的に使い続けられる家、街並みに調和し形成していく家を設計する必要があります。
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住宅は器であり、使い続ければ必ず汚れたり傷ついたりします。汚れや傷が簡単にメンテナンスできずに不満を抱えたまま使っているとすぐに新しいものに置き換えようとしてしまいます。汚れや傷が自分の手で簡単に補修でき、元のように蘇ると愛着がわいて長く使い続けるようになります。汚れが目立つエクステリアは、煉瓦や瓦のように汚れが味に見えるような素材を選ぶことでメンテナンスコストを抑えることができます。
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長く使い続けられる家は、年限を重ねるごとに趣きが増しその価値も高まります。ヨーロッパでは新築の時よりも高く売買される物件も多く存在します。
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長く暗い北欧の冬は家の中で過ごす時間が多くなります。そんな厳しい環境から、デンマークでは飽きのこない快適でくつろげる空間が生まれました。そこはシンプルな自然素材と人間の本能に基づいた温かな灯りに包まれていて、心と体を休ませ明日への活力を与えてくれる場所です。
住む人を中心とし、ライフスタイルと合わせた長期的な家の設計を行う
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機能性のないデザインはすぐに陳腐化することでしょう。飽きのこないデザインは余分な装飾が取り払われているものです。
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長く使い続けることが一番のコストダウンです。簡単に自分でメンテナンスできることが長く使い続けられる要因です。
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「家は住む人がつくっていくもの」という言葉があります。少しずつ自分でお手入れしながら家を熟成させていくことは、大きな楽しみでもあり、コストも抑えることになります。